奥秩父主脈縦走(19/05/01-03)


☆天気

1日目 午前:曇り 午後:雨

2日目 終日:晴れ

3日目 終日:晴れ

 

☆コースタイム

5/11日目)JR国立駅0437===0621JR塩山駅===0650西沢渓谷入口0657---0726徳ちゃん新道入口0734---0932新道分岐0937---1225木賊山---1255甲武信小屋1310---1331甲武信ヶ岳---1350甲武信小屋1400---1545破風山避難小屋(泊)

 

5/22日目)0400起床→0520出発---0620破風山0632---0820雁坂嶺0828---0856雁坂峠---0950古礼山---1038雁峠1045---1100雁峠分岐---1128笠取山---1416唐松尾山---1517山の神土---1532将監峠---1539将監小屋(幕営)

 

5/33日目)0340起床→0501出発---0740禿岩(飛龍権現)---0830北天のタル0841---0947狼平---1025三条ダルミ1035---1111雲取山1132---1147小雲取山---1218奥多摩小屋---1241ブナ坂1244---1257七ツ石分岐---1315七ツ石小屋下---1342堂所---1442小袖乗越---1516鴨沢バス停

 

☆行動と感想

(事前準備)

例年のゴールデンウィークであれば、大学の授業があるため連休にはならず大した山行もできないのだが、今年は新天皇即位に伴う改元の影響で公式には10連休となり、大学でも5連休となった。そこで、まとまった時間がとれるので2泊くらいの山行を計画しようと思い様々な山域での合宿を模索していた。当初は南アルプスや八ヶ岳なども考えたが、今年は4月にも遅めの降雪があり、まだ雪が大量に残っているということだった。参加できるメンバーは自分以外は雪山には参加していないので、残雪の登山はあきらめた。次に長めの縦走で登りごたえのあるところはないかと探していると奥秩父主脈縦走路というのが見つかった。天気がよければ雁坂峠の景色などが楽しめるルートであるし、雲取の奥の奥秩父の山域はあまり登ったことがなかったため、この縦走路を行くことにした。縦走路は本来は瑞牆山・金峰山~甲武信ヶ岳~雲取山なのだが、金峰・瑞牆を含めてしまうと長くなってしまうので、甲武信から入ることにした。しかし、計画を立てているとどういうわけか参加者が次々と離脱してしまい、最終的には2人だけになってしまった。また近い日程で新歓合宿が計画されていたので、共同装備などの兼ね合いもあり、結局ワンダーフォーゲル部から4人用テントを借りることになった。

出発前日の4/31は平成最後の日ということでメディアは大騒ぎしていた。自分はもう一人のメンバーを下宿に泊めて、翌日からの登山の準備をしていた。

 

1日目)

 アプローチは始発の中央線にのり、塩山駅からタクシーを利用して西沢渓谷入口に入った。朝であり、天気もくもりだったので気温は低めだった。前日は少し降雨があったらしく徳ちゃん新道の序盤はかなりぬかるんでいて足をとられることがあった。徳ちゃん新道は名前の可愛さに似合わず単調な急登が続く。丹沢の大倉尾根よりも面白みのない単調さである。2000m付近から凍結箇所や残雪がみられるようになったので、アイゼンを着けることにした。新道分岐までは30分近くコースタイムをまくことができたが、甲武信小屋に着くころには、コースタイム通りに戻っていた。小屋で長めの休憩をとり、デポして甲武信山頂へ向かった。小屋周辺はまだかなりの量の積雪があった。山頂までの道は斜度はあるが距離がそこまで長くない。山頂は風が吹き込んでいて、寒かった。小雨気味で眺望もほぼなかった。

小屋に戻ってからは木賊山をまくまき道で行った。冬に来たときは、木賊山を登りかえしたのだが、おそらく冬にはこのまき道が雪で埋もれて見えていなかったのだろう。歩いてみると確かに細い道で、冬ではかなり危険なのだろうと考えられた。歩いていると小雨だった雨が次第に強くなってきたので、レインウェアを出しながら歩いた。避難小屋までの道はあまり登りはないが距離があり、歩いても歩いてもなかなか小屋が見えず少し焦った。最終的に途中のレインウェアの装着やアイゼンの着脱もあり1時間近く到着が遅れてしまった。避難小屋に着くとほっとしたが、雨のせいか床が濡れていた。銀マットを敷いてなんとかしのぐことができたが、風は防げてもかなり寒かった。夕食はペンネで早く作ることができたので早く寝ることにした。

 

2日目)

 朝、翌日の雨が嘘のように晴れていた。避難小屋の床も夜のうちにだいぶ乾いており、助かった。しかし、準備に時間がかかってしまい、予定の20分遅れで出発することになってしまった。破風山の尾根は岩がちな道で急登だった。凍結箇所も多く、予想以上に時間がかかってしまった。破風山・雁峠嶺ではかなり時間を消費してしまい、コースタイムからだいぶ遅れてしまった。雁坂峠についたころには明るくなっており、日本三大峠の一つである峠の景色を存分に楽しめることができた。冬に来たときは雁坂峠から下山したので、そこから先は未知の領域だった。雁坂峠以降はほぼ雪も見られなくなり、道も歩きやすかったので遅れた時間を取り戻すことができた。短いアップダウンがあり、古礼山などのピークを踏んだ。それぞれのピークでの眺望はかなり良くかなり遠くまで見えた。

雁峠までの道はススキなど多くのどかな景色が広がっており、歩くのも楽しかった。歩いているとだんだんと気温も上がって、昨日の夜のじめじめした感覚も晴れてきた。雁峠分岐には水干を示す石碑があり分水嶺があった。それぞれ富士川・荒川・多摩川の分水嶺になっているということであった。分岐からは笠取山の稜線が見えており、登る道がそのまんま見えていた。かなり斜度のある稜線であり、期せずして登りのキツさを伝えてきた。予想通り稜線を登る道はかなりきつく壁を登っている感覚だった。笠取山以降は地味な道だった。踏み跡を見落とし、間違った道の入り時間を使ってしまったり、ガレ場で慎重になったりと意外と楽な道のりではなかった。それでも将監峠付近になると道幅も広くなり歩きやすい道が続いた。将監小屋では多くの登山客がおり、遠くからでもテントが多いのがわかった。トイレもきれいで水場もあり快適な小屋だった。

 

3日目)

 前日の朝は20分出発が遅れてしまったので、その反省をいかし、予定よりも20分早く起床し準備することにした。飛龍までの道は尾根の横を歩くルートだった。途中で水が流れている場所が数か所あり、奥秩父の水資源の豊富さが感じられた。禿岩は露岩で360度眺望が望める場所だった。この日も天気がよく前日同様に遠くまで見ることができた。飛龍山は登ることもできるのだが、登っていると時間を喰ってしまうので、先を急ぐために登らないことにした。

 三条ダルミまでは距離こそながいもののほぼ平坦な道で、楽に行けた。三条ダルミ手前くらいから今回の最後の目標である雲取の後ろ姿が見えてきた。雲取は複数回登ったことがあるが、三条から入るのは初めてだったので、新鮮な姿だった。三条ダルミからは富士がくっきりと見えていた。雲取の山頂まではかなりの急登で最後の最後にかなり疲れた。ピークはそこにあると見えてはいるがなかなかそこまで着かない、というのは精神的にこたえる。やっとのことで雲取山頂につくと、連休中ということもあり、多くの登山客がいた。山頂のプレートから甲武信ヶ岳の方角見ると、山と山のあいだに小さく甲武信が見えており、自分たちの来た道が思い出されて少し感慨にふけっていた。

 雲取からは鴨沢バス停に下るルートで下って行った。ここのルートは何度もきたルートであるので、休憩は少なめでペースを上げて一気に下った。登山口をおりたあとの駐車場で休憩をすると気が抜けたのか間違えて自動車用の道路に入ってしまい、やや遠回りして下ることになってしまった。鴨沢バス停には予定よりも30分程度早く着き、バスが来るまでのんびりして待っていた。新元号初の登山になったが、奥秩父の独特の登山道や水源を巡ることができ、なかなか骨のあるものになったと感じた。

 

(反省)

 急登や凍結箇所もありコースタイムから遅れてしまうことも多々あった。今回のような2泊以上する山行であれば、翌日への疲労なども考慮して初日や2日目でもゆとりを持ったコースタイムの設定にするべきだろう。また今回は残雪があるということでアイゼンを持ってきたが自分の12本アイゼンが冬靴用に作られているもので、夏靴にあわず行動途中に外れてしまうことがあった。夏靴には軽アイゼンを持って行った方がよいだろう。

 

防水対策も課題だった。今回は初日の午後からの雨でメンバーの一人が着替え用の靴下を濡らしてしまった。個々の衣服を防水用のビニール袋等に入れたうえでそれらをまた袋に入れるなどの対策も必要になってくるだろう。

雁峠から笠取山を望む(5/2 1036、撮影=佐々木)

雲取山頂。(5/21127、撮影=佐々木)