雪渓訓練@天神平(19/03/16)


 

☆天気

 

くもりときどき雪

 

 

 

☆コースタイム

 

/16 JR国立駅0513===0954JR土合駅---1010谷川岳ロープウェイ土合口駅===1040天神平駅---(天神平周辺で訓練)---1530天神平駅===1540土合口駅---1630土合駅

 

 

 

☆行動と感想

 

雪渓訓練は毎年実施している。例年であれば5月ごろに新入生と上級生数名がOBの指導のもとで、雪上での歩行や滑落停止訓練などを行う。今回は例年とは異なり、3月に学生のみで訓練を行った。場所は例年通り、谷川岳の天神平であった。他にも上州武尊周辺なども候補にあったが、これまでの経験や環境などを考えて場所は変更しなかった。

 

 

 

計画を立てた当初は、6人ほどの参加者がいたが、それぞれに事情があり、結局参加者は3人となった。自分は冬山登山にも参加しており、雪上での行動はなれているため、自分がリーダーとなって計画や指導を行った。残りの2人は夏山をメインで登っているメンバーであり、冬山登山に参加する予定はないようなので、夏山で遭遇するような雪渓での歩行などを想定して訓練を行うことになった。

 

 

 

当日は10時前くらいに土合駅につき、ロープウェイで天神平までたどり着いたのは1040分であった。ロープウェイ駅から出ると、すでに足元は雪で覆われていてためアイゼンとスパッツを装着した。雪山に参加していない2人は部室から借りてきたアイゼンを持ってきていたが、その二つが調整の不具合などで使い物にならず、結局自前の爪が少ないアイゼンなどで訓練を行うことになった。

 

 

 

最初は道具の説明をした。アイゼン・ピッケルなどは普段夏山ではめったに使わないので、使い方やなぜその道具が必要なのかについても伝えた。一通り説明を終えたところで、歩行訓練を行った。ルートはスキー場の脇から直登していき、天神峠を目指すというものであった。目視でもそれほど時間がかかるものではないと思っていたし、いい訓練になるだろうと予想していた。自分が先頭になり、2人は自分の作ったトレースにしたがって歩いてもらうことにした。雪質は予想していたよりも柔らかく、体重のかけ方をうまく調節しなければ壺足になってしまうような状況であった。実際慣れていない2人は足が埋まってしまったり、なかなか苦戦している様子だった。スキー場の脇のやや急な斜面であったこともあり、想定していた以上に時間をとられてしまった。先行しているほかのパーティーがいたらしく、トレースが残されているのは助かったが、やはり雪山のメンバーでの登山のようにテンポよく進むことはできない。しかし、それでも慣れないなかで、2人はよく登ってくれた。峠の稜線上に上がる手前で数10㎝程の段差があり、力技でどうにかよじ登ろうとして挑戦してみたが、なかなか上がることができず、しかも周辺が滑りやすくなっていたため、トラバースしもう少し緩やかなところから稜線にあがることにした。雪の斜面でトラバースするのは直登する以上に滑落の危険性があるが、それしか進む道がなかった。実際に自分含め3人とも柔らかい雪にやられて、少し滑ってしまい、期せずして滑落停止の訓練になってしまった。今回はそれほど大胆に滑ったわけではなかったがやはり、スキー場とはいえ滑落は恐ろしい、慎重さが求められるということをあらためて感じた。結局トラバースしても程よく緩やかな場所が見つからなかったため、元の段差に戻り、ピッケルを活用しつつ登った。稜線にでると風が強く、折から雪が降ってきた。

 

 

 

当初はこの天神峠の稜線上でテント設営の訓練などを行おうとしたが、この稜線上もスキーのコースであることがわかり、下った平坦な場所でテントを張ることにした。雪の下りはなれると相当楽になるが、やはり今回は時間がかかってしまった。ロープウェイ駅周辺の平坦な場所を見つけて、そこでテントを設営した。テントを立てる手順は夏山とあまり変わらないが、設営する場所の雪をシャベルで掘ることや、ちょうど雪と風があったのでそのような環境で設営することなどを体験してもらった。テントを立て始めてからだんだんと風が強くなっていき、実際に自分が冬山で体験した以上に過酷な環境での訓練になった。それでもテントは問題なくたったので、テント内で休憩することにした。テント内では雪をコッヘルで融かし、沸騰させて、その水で作ったコーヒーを飲んだ。

 

 

 

そうこうしているうちに、時間が迫ってきてしまい、風や雪も強まってきたので、テントを撤収して記念撮影をしたのち、ロープウェイ駅に戻った。

 

 

 

今回は反省点の多い訓練だった。第一に装備が十分ではないことである。部室においてある装備をなぜか信頼しまい、確認もせずに現地に持ってきてしまった。今回は他の装備で埋め合わせすることができたが、雪で装備の不十分は危険で、事故にもつながりかねない。次回以降は、持っていく装備は事前に使えるものかどうか確認するべきである。また12本アイゼンを持っていない場合はレンタルショップで借りることを推奨していきたい。

 

 

 

次は場所と時間である。今回のように夏山での雪渓のために訓練に参加するメンバーが多いのであれば、3月のような雪がしっかり降る時期ではなく、4月や5月に残雪期の山で訓練を行うべきであったかもしれない。4月であれば近隣の山でも場所によっては雪がのこっている山もあるので、そのような場所と時間のチョイスもできたかもしれない。以上のような反省点をもとに次回の雪渓訓練も行われてほしい。

 

 

☆写真

 

天神平スキー場(03/16 1526、撮影=佐々木)

 

 

ロープウェイからの景色(03/16 1546、撮影=佐々木)