夏合宿part1@雲取山(15/08/06-07)


参加者

高謙(社1)、小久保剣(法1)、原島大介(商1)、内海拓人(法2・SL)、曲文琛(社2)、清野友紀(国際基督教大学2年)、有田麻子(社3)、上茂衡(法3・CL)、大谷彩子(商3)

 

・天気

1日目:晴れ、午後2時ごろより強い雷雨、その後晴れ、日没後断続的に雷。

2日目:晴れ

 

・アクセス

行き:JR奥多摩駅よりバスで約40分、鴨沢下車。

帰り:鴨沢よりバス、JR奥多摩駅。

 

・行程、コースタイム

1日目

9:30奥多摩駅集合→9:40バス出発→10:15鴨沢バス停着 10:25バス停出発→11:05-10休憩→12:00-05休憩→12:30-35休憩→13:05-15昼食→14:00-15:30七ツ石小屋着、小屋内避難→15:30幕営→17:00夕食→20:00就寝

2日目

4:00起床、朝食→5:50七ツ石小屋出発→6:10七ツ石山→7:05-10休憩(奥多摩小屋付近分岐通過後、岡部さんと合流)→7:55-8:20雲取山→9:10-15休憩→10:00七ツ石小屋着、撤収→11:10七ツ石小屋出発→12:10-15休憩→13:25鴨沢バス停

 

 

前日準備

 出発前日5日の午後から、燃料と食料の購入と備品分担を行った。献立を直前まで決めていなかったため、食料購入は半ばその場で決めるような形になってしまった。テント泊の経験のある先輩方と相談するなどして、献立はもっと時間をかけて練るべきであった。燃料と食料を購入後、部室で新品の80リットルザックに装備を詰めていった。80リットルザックを背負ったことのある人はおらず、その大きさに少し驚いた。しかし、実際に物を入れていくと案外すぐにいっぱいになった。パッキングの仕方もまだまだ改善の余地があると感じた。

 

1日目

 朝、奥多摩駅に集合すると体にこたえる暑さだった。鴨沢西行きのバスに乗り込み、40分程で鴨沢バス停に到着した。ここで新入部員の小久保を交えて自己紹介を行い、その後登山道へ向けて出発した。バス停から登山道に入るまでは、いきなり日陰のない急坂だった。一歩一歩足を踏み出すたびに、今まで味わったことのない荷物の重さが感じられた。先頭を歩いていた僕は50分に休憩1回のペースを考えていたが、暑さに耐えきれずに出発から40分程で1回目の休憩を取った。登山道に入ると日差しが遮られ、暑さは少しましになったが、決して涼しいというわけではなかった。また、ダラダラとした登りが続き、目印も少なかったのでペースを掴みづらかった。2回目の休憩までは40分ペースを保っていたが、次のピッチで明らかにペースが落ちた。皆口数が減り、特に女子の疲労が色濃く感じられた。そこで、ここからは30分ペースで進むことにした。だが、自分自身の足もだんだんと重くなるのが感じられ、ペースは一向に上がらなかった。ようやくブナ坂方面のまき道との分岐点に到着して自分たちの位置がわかり、コースタイムを下回るペースであることがわかった。そして、ここで雨が降り始めた。天気予報では夕方頃からの降り始めとなっており、雨が降り始める前に雲取山荘まで辿り着けると考えていたが、甘い考えであった。すぐ先には七ツ石小屋があったので、とりあえずそこまで行ってから今後の行動について考えることにした。まもなく七ツ石小屋に到着し、地図を広げて雲取山荘の手前の奥多摩小屋まで進むか否か話し合っていると、次第に雨が強まってきた。結局ここまでのペースと悪天候を考慮し、七ツ石小屋のテント場に幕営することに決めた。すると、いきなり雨脚が強まり、全員が小屋の中に入ると瞬く間に激しい雷雨となった。もし奥多摩小屋を目指して進んでいたら、と考えると、潔く七ツ石小屋に避難するという判断は正しかったと感じた。しかし、こんなにも丁度よい所に小屋があったのはただ運が良かっただけであり、一歩間違えれば雷雨の中長い距離を移動せざるを得なかったかもしれない。避難方法・エスケープルート等は事前にしっかりと確認しておかなければならないと改めて感じた。平日ということもあり小屋には僕たち以外は誰もおらず、小屋の一室を貸して頂いた。荷物を降ろして畳の上に座ると、大した距離も歩いていないはずなのに強い疲労感を感じた。

 思ったより早くに雨は上がり、今までの雷雨が嘘であるかのように晴れてきた。小屋のご主人曰く、夏の雲取山は午後になると雷雨が多いそうだ。再び雨が降ってくる前に幕営を済ませることにした。マットが人数分ないこともあり、整地は入念に行った。今回テントは3張で、新品の5-6人用テントを女子テントとし、残りの2つに男子が別れることとなった。丁度テントを張り終えると再び雨が降ってきたので、急いで荷物をテント内に移動した。幕営が終わると夕食の準備にとりかかった。夕食のメニューはジャーマンポテトとカレーライスであった。コンロの数の関係上、まずジャーマンポテトを作ってから炊飯をすることにした。米を水に浸してから、ジャーマンポテトの調理を始めた。小屋のご主人のご厚意で、小屋の土間で調理させて頂いた。じゃがいもは予め切って軽く茹で、玉葱は予め切ったものを持参した。じゃがいもの半分を忘れてくるというハプニングがあったが、量的にはさほど問題とならなかった。むしろ、サラダ油を忘れたことのほうが問題であった。それを見た小屋のご主人がなんとサラダ油を分けて下さった。玉葱を炒め始めると、食欲をそそるいい香りがしてきた。ここまでは良かったのだが、じゃがいもは炒めてもなかなか柔らかくならない。結局時間切れということで、じゃがいもが完全に柔らかくなる前にジャーマンポテトの調理は打ち切りとなった。調理に時間がかかった割には、味についての皆の反応も薄く、結論としてはジャーマンポテトはテント泊のメニューには向かないと思われる。メニュー考案者としては少し悔しかった。次に炊飯を開始した。3つのコッヘルに9合の米を分けて炊こうとしたが、ここで3つのコンロのうち1つが持ってきたガス缶に装着できない型であることが判明した。事前のチェック不足であり、時間のロスとなってしまった。仕方ないので2つのコンロで順に炊くことにした。始めは強火で、吹きこぼれ始めたら弱火にして20分というネットで調べた手順通りに進めた。2つのコッヘルのうち1つから焦げ臭いにおいがして一瞬不安がよぎったが、炊き上がるとどちらも上出来であった。カレーは今回レトルトを利用する形となった。そのため味付けに失敗するようなこともなく、カレーライスはとても美味しかった。(これもネットで調べた情報であるが)レトルトを温めたお湯はコンソメスープにして飲んだ。ちょうど夕食が終わる頃に日が沈んだ。翌日は荷物をテント場に置いて雲取山に登り、同じ道を下山することを確認して、各自テントに入って就寝した。シュラフに入ってしばらくは、予想以上のテント内の蒸し暑さと断続的に続く雷への不安から寝付けなかったが、次第に眠気に負けてぐっすりと寝てしまった。

 

2日目

 翌朝は4時に起床した。思っていたよりもしっかりと寝ることができて、すっきりとした目覚めだった。あたりはまだ暗く、ヘッドランプの光の中で朝食の準備を開始した。朝のメニューはサラスパを用いたパスタであった。サラスパは通常のパスタに比べて細くて短く、茹で時間が短いことから時間のない朝に向いていると考えて採用した。だが、半分ほどのサラスパを茹ですぎた結果、柔らかすぎて食感がほぼ感じられない、お世辞にも美味しいとは言えないものが出来上がってしまった。一部からは人生で一番不味いものを食べたという声も聞かれた。パスタソースだけではとても食べることができず、茹で汁で作ったコンソメスープで流し込んだ。調理の技術については(もはや登山の技術ではないかもしれないが)改善の余地があると感じた。

 朝食を終え、6時前には雲取山に向けて小屋を出発した。荷物が軽くなっただけで、前日とは比べものにならないほど楽に感じられた。天気は晴れで日差しが強かったが、早朝なので空気がひんやりとしていて涼しかった。20分程で七ツ石山に到着し、そこから何回かアップダウンを繰り返した。左手には黄色い花が咲いていた。昨日とは違って後ろから話声も聞こえ、皆余裕があることがわかった。ヘリポートを通過し、急な傾斜を登り切ったところで岡部さんと出会った。岡部さんは前日に秩父側から雲取山荘まで登り、テント場で僕たちと合流する予定だった。岡部さんの話によると、昨日は雲取山荘付近も激しい雷雨だったそうだ。岡部さんと別れて再び急登すると、避難小屋が見えてきた。そしてまもなく雲取山頂に到着した。残念ながら富士山までは見えなかったが、景色は良好であった。全員で記念撮影後、下山を開始した。コースタイムを上回るペースで七ツ石小屋に到着し、撤収を開始した。鴨沢のバスの時間を確認し、余裕をもって七ツ石小屋を後にした。再び重くなった荷物に若干の不安を覚えたが、下りは特に問題なかった。順調なペースで下り、バスの時間の30分程前にバス停に到着した。

 

総括

 今回の合宿は一言でまとめると失敗に終わったといえる。まず、そもそも計画に若干無理があった。当初の予定は1日目に雲取山荘まで行き、2日目に都県境尾根を経て天祖山、日原方面へ下るというものであった。したがって、初日は予定していた距離の半分程度しか歩いていないことになる。今までの日帰り山行の計画では、コースタイムを上回るペースで考えることも少なくなかった。だが、ほぼ全員が初めてのテント泊であり、重い荷物に慣れていない今回の合宿で同じような計画の立て方をしたのは良くなかった。また、夏山の午後は天気が崩れやすいことを考慮し、テント場に早い時間に到着することを忘れてはいけないと感じた。テント場に早く到着するために1日目の出発時間をもっと早くするべきであった。今後、合宿の計画を立てる際には注意したい。事前準備に関しても、不十分であったと感じた。結局、コース設定や装備分担、献立の作成等をほぼ僕1人でやってしまっていた。きちんと役割分担をして、より時間をかけて部員同士で話し合って準備を進めるべきであった。ただ、みんなでテントを張って食事を作り、12日の生活を共に送るテント泊には、日帰り山行とは一味違った魅力があると感じた。今後もぜひ積極的にテント泊を行っていきたいと感じた。

 部として久しぶりの学生だけでのテント泊となった今回の合宿は、テント泊の楽しさと厳しさを知るとても良い機会となった。今回の経験を後に控える種々の夏合宿や今後の山行に活かしていきたい。最後に、七ツ石小屋のご主人には大変お世話になった。この場を借りて改めてお礼を申し上げたい。


8月6日 17:05(撮影:内海)
テント場

8月6日 17:40(撮影:内海)
ジャーマンポテト調理中

8月6日 18:26(撮影:内海)
炊飯

8月7日 4:31(撮影:内海)
パスタ調理中

8月7日 8:14(撮影:内海)
雲取山


(法学部2年 内海拓人)