天狗岳・硫黄岳(17/06/17-18)


 

●天気

 

1日目:晴れ

 

2日目:曇り時々晴れ

 

 

 

●コースタイム

 

1日目:

 

1030麦草峠1045==1125丸山(通過)==1140高見石小屋(通過)==1205白駒池1230==1337ニュウ1400==1503黒百合ヒュッテ(テント泊)

 

2日目:

 

300起床―黒百合ヒュッテ500==552天狗岳600==614西天狗岳620==630天狗岳645==705根石岳710==740夏沢峠745==835硫黄岳900==1015赤岳鉱泉1025==1125美濃戸山荘1130==1205美濃戸口

 

 

 

●行動と感想

 

雪山を登らない自分にとって、久しぶりの宿泊山行である。本年度から学期中の山行も1泊が原則となって、これから登れる山のバリエーションが増えると思うと今から楽しみだ。今回の八ヶ岳山行は、昨年5月に行った山行と同ルートをたどった。3年生以外はほとんどが初の八ヶ岳であり、去年の経験を踏まえて充実した2日間にできればよいと考えていた。

 

1日目の朝5時半ごろ、茅野駅に向かう電車の中で2年の田中から体調不良の連絡を受けた。聞いてみると熱もかなりあり、CLSLを務める他の3年生の判断もあって田中の参加を取りやめることになった。共同装備を誰かに預ける必要があったが、同じ国立住みの佐々木に国立駅で渡せたらしい。佐々木は当日携帯を確認していなかったが、改札の前で待っていた田中から事情を聴き受け取れたようだ。いきなりのハプニングであったが、メンバー8名で八ヶ岳を目指すこととなった。茅野駅からタクシーで麦草峠まで入り、まずは丸山を目指す。CLの小久保が先頭となってなだらかな道を進んでいくが、やはりどうしてもペースが速くなってしまう傾向にあった。序盤は重い荷物にも慣れるためにゆっくり登るべきだというのを内海さんから教わっていたが、先頭はどうしても速くなってしまう。展望もきかない森の中であるし、メンバーもそれについて行けてしまうから難しいが、入りは少しゆっくりくらいで丁度よいのではと思う。コースタイム8割のペースで丸山到着。途中で休憩をとったこともありそのまま通過する。ここからは下級生にも経験を積ませたいというCLの判断で、2年生が先頭を務める。丸山から高見石小屋を経由して白駒池までは緩やかな下りが続く。この区間は松橋が先頭を務め、ゆっくりと下っていく。ここはコースタイム通りの時間で池に到着。池沿いの道を進んでも白駒池を眺めながら休憩できるスペースがなかったという昨年の経験から、白駒荘に寄って比較的広いスペースを確保し昼食をとる。一時期は天候が心配されたが、空は晴れ渡っており、快適であった。これが明日も続けば素晴らしい景色が見られると、後輩たちの期待を高めつつも、明日までこの天気が持つのか不安であった。白駒池からは福家が先頭を務める。ゆっくりと言い聞かせていただけあって、かなりいいペースで登ってくれたと思う。樹木が生い茂った森をくぐり抜け、8割強のペースでニュウに到着。白駒池から今まで歩いてきたルートや明日歩く予定の天狗岳、硫黄岳に続く稜線の登山道も綺麗に見えた。ニュウからは岩崎が先頭を務める。比較的緩やかな道を歩いていくとあっという間に黒百合ヒュッテに到着した。ほぼコースタイム通りの歩きで、非常にいいペースだったと思う。この日の夜は2年生が用意したキムチ鍋とご飯であった。最初は具が多すぎて大丈夫か不安であったが、火を通すと丁度よいくらいになった。お肉もふんだんに使っており、疲れた体にしみてとても美味しかった。夜になると雲が出てきて星はほとんど見えず、一気に気温も下がっていくのをシュラフの中でも感じた。

 

翌朝は3時に起床、気温2度のうえに強い風が吹く中で朝食のラーメンを食べる。曇ってはいるものの雨は降っておらずホッとした。頂上付近の天候はどうなっているか不安であったが、出発準備を行う。比較的時間に余裕をもって準備を終え、5時にテント場を出発。ここからは3年生が交代で先頭を務める。中山峠に戻りしばらく歩くとすぐに視界が開け、天狗岳も遠くに見えるようになる。このあたりから岩が多くなり、足をのせると動くものもあって注意が必要だ。目印を確認しながら慎重に進む。下のほうから見えている岩のピークは天狗岳ではなく、本物はそこから岩道を歩いて15分ほど先にあるのに注意したい。この区間は安藤が先頭であったが、天狗岳までコースタイムの6割ちょっとで到達。メンバーもそこまで速いと感じていなかったし注意して歩いていたから問題はなかったが、ここでかなり時間に余裕を持つことができた。稜線に出るとより一層風が強く吹き付ける。天候が心配されたが、これから登る硫黄岳などの八ヶ岳の峰々が綺麗に見ることができた。ここで荷物をデポして西天狗岳を目指す。昨年未到達であったため楽しみだったが、予想していた通りほとんど展望に変化がなく、風も強いため登頂後早々に引き上げた。再び荷物を持って根石岳経由で硫黄岳を目指す。稜線上のコルから見る東西両天狗岳の美しさは素晴らしかった。昨年も見た景色であったが、来てよかったと改めて感じたものである。根石岳まではほぼコースタイム通り、ここから自分が先頭を歩く。昨年の経験から、本山行の難所は根石岳から夏沢峠までの森中をだらだらと下る区間と、夏沢峠から硫黄岳山頂までの区間だと考えていた。しかし夏沢峠まではあっという間に到着してしまい、拍子抜けした。昨年は天気が良かっただけに気温も上がり、暑さの中歩いたのが辛く長く感じてしまったようだ。硫黄岳までの登りは非常に疲れるものであり、昨年一番苦労したところであったため、事前に後輩たちによく周知させていた。勾配がきつい中、はるか上のほうに見える硫黄岳を目指して、一歩一歩歩いていく。途中から気を紛らわすため、思い思いに歌いながら登っていくことでだいぶ楽しむことができた。個人的には去年よりも楽に登れた印象なので、成長を感じることができた。結果的にコースタイムを上回るペースで登ることができ、硫黄岳からの展望も素晴らしく、赤岳や横岳が綺麗に見えた。山頂でゆっくり時間を過ごした後、赤岳鉱泉経由で美濃戸口を目指して下山を開始する。赤岳鉱泉まではジグザグとした下りの連続で、展望もきかないためにまだ着かないのかと不安になってしまった。途中いまだに残雪が登山道に数か所散見された。ゆっくり進めば何の問題もないが、下りだけに気を抜いてはいけないだろう。赤岳鉱泉からは沢沿いに下っていくが、ここからは再び小久保が先頭を務め、傾斜が緩やかで歩きやすい道ということもあってかなりペースをあげる。当初は赤岳鉱泉―美濃戸口間がだらだらと長い道のりだという想定だったが、気を抜かずにペースを維持し続けたことで、2時間20分のコースタイムのところを1時間40分で踏破できた。歩きやすい道であったのでこういうペースで歩く経験も必要であろう。予定よりもかなり早く到着し、時間に余裕をもって全行程を終えることができた。

 

今回総合的には昨年以上のペースで登ることができた。要因としては昨年よりもかなり涼しく、風が強いのもあって自然と足が速く動いたことが挙げられるだろう。曇ってはいたものの、霧が出てこなかったのは幸いであった。このコースは眺望が素晴らしい上に危険個所もほとんどなく、八ヶ岳の入門コースとしては非常に良いと改めて感じた。また今回は後輩たちに先頭を歩かせてみたが、これもいい経験をさせられたのではないだろうか。ともかく、学期中に宿泊山行を実現できたのはこれからの山岳部にとって意義のあることだと思う。

 

ニュウから天狗岳・硫黄岳を望む(6/17 13:54 撮影者:坂本)

硫黄岳山頂から赤岳・横岳を望む (6/18 8:52  撮影者:坂本)