女峰山(15/10/18)


●一泊二日班


・参加者

辰川貴大(法3年)、内海拓人(法2年)

 

・天気

1日目:雨のち晴れ

2日目:晴れ時々曇り

 

・行程、コースタイム

1日目

10:15霧降高原駐車場→11:50-12:20赤薙山→12:45赤薙奥社跡→15:00-15:30女峰山→16:00唐沢避難小屋→16:40水汲み終了、夕食調理開始→18:30就寝

2日目

5:40起床、水汲み、朝食→8:00唐沢小屋出発、道に迷う→10:00再び唐沢避難小屋に戻る→11:45水場~稚児ヶ墓間で日帰り組と会う→13:30二荒山神社

 

1日目

 FN短大から天候に恵まれず、何度も延期となっていた女峰山に遂に行くことができた。当初は日帰りの予定だったが、コースタイムを見る限り山頂まで到達するのはとても厳しそうであった。日光駅周辺の安宿に前泊するプランや霧降高原駐車場にテントで前泊するプラン等も考えたが、宿は秋の行楽シーズンということで既に空きはなく、また駐車場周辺にテントを張ることができるのかも不明であった。そこで、女峰山山頂付近の唐沢避難小屋を利用して1泊2日で確実に山頂を目指すことにした。

 参加者は、当初2年生の羽二生を含めて3人であった。だが、朝に北千住から日光行きの快速電車に乗り込んでも彼の姿は見えない。携帯で連絡を取るが、反応がない。嫌な予感が頭をよぎった。するとやはり、彼から寝坊したという連絡が入った。今回は幸運なことに、辰川さんがガスとコンロを1セット持っており、僕がコッヘルを余分に多く持ってきていたので山行を継続することができた。だが、1歩間違えればその場で山行が中止になるところであった。

 日光駅に到着すると小雨が降っていた。駅前から貸し切り状態の路線バスに乗り込み、霧降高原を目指した。標高が上がっていくにしたがって、沿道の木々が色づいてきた。だが、天候は悪化の一途を辿り、登山口に着いた時には辺りは霧で真っ白、雨は音を立てて降っていた。予報では午後にかけて天気は回復傾向であったので、予報が当たることを信じて歩き始めた。

 最初は約1400段の階段をひたすら登った。100段毎に看板が設置されていたのだが、段数がわかってしまう方がむしろ辛く感じられた。相変わらず霧は晴れず、階段の先がどうなっているのか全く見えなかった。不安を感じながらも階段を登り切ると、雨が弱まり空には晴れ間が見えた。ふと後ろを振り返ってみると、霧は晴れて麓の駐車場まで見渡すことができた。紅葉の色づきも見ることができ、絶景であった。キレイな景色を見るとやはり元気が出る。そこからはしばらく尾根の上を進んでいった。まだそこまで標高は稼いでいなかったが、既に雲は眼下に広がっていた。尾根歩きが終わると森の中に入り、傾斜が急になってきた。少し辛かったが、全身を使って登っていく感じがとても楽しかった。コースタイムより30分程早く赤薙山に到着し、そこで昼食をとることにした。

 赤薙山を過ぎてからも急な登りとアップダウンの繰り返しが続いた。決して楽なコースではなかったが、歩いていくにつれてコースの表情が変わっていき、飽きがこなかった。一か所ロープが設置されている岩場があったが、ロープを使うことなく登ることのできる程度のものであった。山頂手前30分程の地点から、空に突き出した美しい形の山頂がキレイに見えた。日の光に照らされたその姿は、僕が今まで見てきた山頂の中で一番美しいと感じた。

 一面シャクナゲが広がる尾根を通り抜け、山頂に到着した。休憩をしっかり取ってもコースタイムより45分早く到着したので、良いペースで歩くことができたと思う。山頂には誰もおらず(ここに来るまでに1グループとしかすれ違っていなかったので、この日霧降高原側のルートで登ったのは僕たちだけだったのではないか。)、静かに景色を楽しむことができた。男体山は雲に隠れてしまって見えなかったが、雲の切れ間から中禅寺湖は見ることができた。尖った美しい形のピークに看板が立てられており、やはりこの山頂はカッコいいなと感じた。

 30分程休んだ後、避難小屋に向けて下り始めた。しばらくガレ場を下っていったが、予想以上に足元が不安定だった。ガレ場を横切る箇所は少しヒヤヒヤした。登りで体力を使ったせいか、小屋到着まで思ったよりも長く感じられた。小屋に到着すると荷物を置き、暗くなる前に水を汲みに行くことにした。地図を見て不安には感じていたが、水場までの傾斜はそこそこ急であった。帰りにまたここを登らなければならないことを考えると、下るのが辛かった。水を汲み終わって戻ると、中高年の4人グループが小屋に到着していた。すぐに夕食の準備に取り掛かったが、コッヘルもガスも1セットしかないので、米を炊き終わるまで他の作業が進まず、時間がかかった。メニューは炊いた白米と各自持参したレトルト食品、僕が持参したコンビニのポテトサラダとチーズであった。夏合宿での経験もあり、米はうまく炊けた。調理の手際は少しずつ良くなっているのではないだろうか。(もう少しメニューに幅を持たせることができればなお良いのだが。)食後にコーヒーを飲もうとしたが、コッヘルで沸かしたお湯に米が浮くという問題の解決方法が見つからず、翌日の朝までおあずけとなった。日が沈むと寒さが厳しくなった。外に出て空を見上げると、まるでプラネタリウムのような星空であった。上半身はフリースなどを持っていたので問題なかったが、下半身の防寒対策が甘かった。寒くて寝ることができそうにないので、ダウンジャケットを足に巻いてシュラフに入った。他のグループが早々に寝てしまい、僕たちもやることがないので18時半ころには寝てしまった。

 

2日目

 日の出を見るために日の出の時刻に合わせて起床したが、残念ながら小屋の前からは良く見えなかった。水を汲みに行った後、朝食の準備に取り掛かった。メニューは定番のインスタントラーメンであった。辰川さんが持ってきて下さったツナ缶とチーズをトッピングしたところ、予想を上回る美味しさであった。昨晩断念したコーヒーも無事飲むことができ、荷物をまとめて出発した。時間には余裕があり、下山後に東照宮などを見に行こうなどと辰川さんと話していた。

 小屋を出てから10分程で道が険しくなってきた。草木を押しのけて進む枯れた沢のような道が続き、足元も不安定であった。しばらく下るとガレ場に合流した。ガレ場があることは知っていたが、想像していた以上に危険な場所だと感じた。そして、踏み跡らしきものをはっきりと見つけることができなかった。少しおかしいと感じて、立ち止まって地図とコンパスを取り出した。地図上では進むべき方向は南東であったが、ガレ場は南西方向へと続いていた。ただ、少し先にガレ場の方向が変わっていると思われる場所があったので、ひとまずそこまで下ってみることにした。ガレ場の端を下っていき、目指した地点から下を見下ろすと、崖であった。ここがコースでないことは明らかであった。沢の途中で曲がるべき道があったのであろうと考え、来た道を戻り始めた。結構下ってしまったので、再び登るのは骨が折れた。下ってきたと思われる枯れた沢を登るが、どんどん草木が深くなってきた。こんなに深い草木をかき分けてきた覚えはない。登ってくる際には両側に注意していたが、道らしきものも見当たらなかった。ここで、完全に道に迷ってしまったことに気が付いた。しばらく周囲をうろうろしていたが、出口は見つからない。そんなに険しい道から沢のような道に入った覚えもなかった。再び少し下り、ようやく道と呼べなくもなさそうな箇所を見つけて入り込んだ。すると、同じような枯れた沢が再び目の前に現れた。何が起こっているかいまいち理解できなかった。ガレ場から戻る道をそもそも間違えたのだろうか。まだ時間は早いから大丈夫だと自分に言い聞かせたが、「遭難」という2文字が頭をよぎった。周囲を見渡して必死に道を探していると、何か青いものが動いているのが見えた。人であった。その横を見ると避難小屋があった。おそらく人生で一番ほっとした瞬間であった。

 小屋に戻って、一息ついて心を落ち着かせた。青い帽子をかぶった男性は、以前僕たちが下ろうとしているルートを通ったことがあるということだった。話を聞くと、そんなに険しい箇所はなかったとのことだった。おそらく枯れた沢に入った時点でもう道を間違えていたのであろうと推測し、再び出発した。コースを示すマークに細心の注意を払いながら進むと、見覚えのある枯れた沢が現れた。そしてまっすぐ前を見ると、枯れた沢をまたぐように道が続き、マークもしっかりと見えやすい位置についていた。これを見落として沢の方へと下っていってしまったようだった。注意力が欠如していることを痛感した。(当然であるが、)そこからの道は、先程と比べるとずいぶんと歩きやすく感じられた。だが、余計に2時間歩き回った身体的、そして精神的な疲れから黒岩までの道はずいぶんと長く感じられた。黒岩は眺望が良いと聞いていたが、ガスで真っ白であった。そこからの道も行きのルートと比べると単調で退屈に感じられた。水場が近づき、ようやく視界が開けたあたりで上さんと出会った。この先進んでも決して楽な道ではなく、黒岩に行っても眺望は望めないことを伝えると、僕たちと一緒に下山することとなった。まもなく上さん以外のメンバーも合流した。僕たち3人以外は景色のいい場所で昼食を取ってから下山することになった。そこからも順調なペースを維持して、気付くと二荒山神社の横に着いていた。

 

総括

 今回は反省すべき点が多い山行となった。第一に、当日になって欠席者が出たことである。今回は偶然にも荷物の分担上、大きな問題は生じなかったが、テントなど重要な荷物を分担していたら山行を実施することは不可能であった。山行には一つのチームとして臨んでいるという意識を忘れてはならないと強く感じた。

 そして第二に、単純な注意力不足から遭難しかけたことである。道迷いは歩き始めに生じやすい、そして遭難事例としては沢を下っていってしまうことが多いということを聞いたことがあったが、これらを身をもって体験することとなってしまった。普通なら見落とさないであろうマークを2人ともに見落としたこと、そして怪しいと立ち止まった時点ですぐに引き返し始めなかったことは大いに反省すべきである。そして、道に迷ったときに冷静さを保つことができないということもよくわかった。この経験を部内で共有し、同じことを決して繰り返さないようにしたい。

 様々なことがあったが、女峰山は登りごたえのある、とても楽しい山であった。登るのであれば霧降高原からのルートの方が良いと感じた。もし再び行く機会があれば、より多くの部員で山頂を目指してみたい。


写真1枚目

階段上展望台より、霧降高原(1日目10:43、撮影:内海)

写真2枚目

女峰山山頂(1日目15:10、撮影:辰川)

写真3枚目

唐沢避難小屋内部(2日目8:00、撮影:内海)

 

写真4枚目

迷い込んだ道(2日目8:23、撮影:内海)


(法学部二年 内海拓人)

●一日班

メンバー:高謙(社1)、曲文深(社会2)、水洞章夫(法2)有田麻子(社3)、山崎智慧子(M1)、黄勉(M2)、上茂衡(法3)、大矢和樹(法2)、小久保剣(法1)、坂本遼(法1)

天気:快晴

 

コースタイム: 8:30東日光駅→11:00殺生禁断境岩→12:00昼ご飯→12:20出発→14:10下山

合計:5時間40分

 

 好天気に恵まれ、日光の近くの女峰山を登った。日光二荒山神社の近くで、入口に迷い、すこし時間を費やした。その後も、道に迷い、袋小路に入り込んだ。しかし、すごくいい天気で、紅葉も少々目に映し、秋を感じた。その後、日没を考慮し、山頂まで行くのを仕方なくやめた。今度、十分事前準備をし、道に迷わないよう、もう一度チャレンジしてみたい。

(社会学部1年 高謙)