雪渓訓練@マチガ沢・白毛門沢(15/05/23-24)


文:原島大介(商1)

・期間
 2015年5月23日?5月24日 
・目的
 雪渓訓練、山行
・場所
 白毛門、一ノ倉沢、マチガ沢
・メンバー
  学生
   リーダー   太田 貴之(商学部4年)
   サブリーダー 西山 祥紀(経済学部4年)
   医療係    原島 大介(商学部1年)
  OB
   中村 雅明(昭和43年卒)
   宮武 幸久(昭和45年卒)
   前神 直樹(昭和51年卒)

●5月23日
 初日は宮武さんの車で国立駅から土合橋の駐車場に向かった。駐車場に着くとそこから一ノ倉沢のふもとまで歩き、そこにテントを張った。雪がまだ多く残っている割には寒くはなかった。最低限の荷物だけを持ち、白毛門にむかう。白毛門へはずっと急登が続き、久しぶりの山登りであったこともあって非常に疲れた。白毛門山頂でお昼を食べ、下山し初日の行動は終了した。
●5月24日
 二日目は前神さんと中村さんと合流しマチガ沢へ当初の目的である雪渓訓練に出発した。適当な場所へ着くと訓練が始まった。訓練内容は滑落停止とグリセード、トラバースの練習だった。一番難しかったのはトラバースで、自分はキックが弱く足場をうまく作れず何度も滑ってしまった。今回の訓練で雪山を本格的にやるのは中途半端な覚悟ではいけないと感じた。

5月24日  11:42(撮影:中村)
マチガ沢出合いからのマチガ沢

5月24日  12:35(撮影:中村)
訓練中の小休憩
(上から前神、太田、原島、西山、宮武)

5月24日  13:24(撮影:中村)
停止訓練
(上から原島、太田)

5月24日  14:49(撮影:中村)
訓練終えてテント場にて
(左から太田、西山、原島)

動画1  5月24日  13:26(撮影:中村)
停止訓練中の太田
(立っているのが左から原島、前神)

動画2  5月24日  13:26(撮影:中村)
停止訓練中の原島
(立っているのが前神)

動画3  5月24日  13:48(撮影:中村)
グリセード訓練中の西山
(立っているのが左から太田、原島、宮武)


●太田 貴之
 僕は2回目の雪渓訓練でしたが、今回の訓練でよかったことは、白毛門にのぼることができたことや時期が早く、雪がなめらかだったことです。これからも、これくらいの時期にやるとよいと思います。また、この滑落停止訓練は万が一の時に備えて、非常に意味があるものなので、できれば多くの部員が参加できるように前々から日程を決める必要があると思います。雪渓訓練はレインウエアが傷むので、それが嫌なひとはワークマンなどで用意したものを持っていくのがおすすめです。
 
  ・西山 祥紀
       このたび二日にわたって実施していただいた雪渓訓練は、おもに1)雪面の歩き方、2)滑落時の緊急回避方法の二点について指南をいただいた。
 雪面の歩き方のレクチャーをへて、軸足の置き方やピッケルの置き方ひとつとっても、一つ一つの要素に留意するだけで、訓練前とはくらべものにならないぐらいスムーズに雪面走行を実現することができた。
 また滑落時の緊急回避方法の習得は一筋縄ではいかないものであった。仰臥の状態で滑落したと仮定する。この状態から伏臥の状態にシフトし、ピッケルの刃を雪面に突き刺しながらその摩擦で滑落のスピードを削ぐというものであった。が、私はピッケルを自分の体に誤って刺してしまうのではないかと尻込んでしまい、自然にうつぶせの身構えをとることになかなか苦労した。
 こういった危機回避メソッドについては、本やネットの説明を読みいくら頭で理解しても、練習を通じて条件反射的に習得しなければ実践では生かしづらい。そのため、今回の雪渓訓練は雪渓を楽しむにあたり重要な基礎づくりをすることができた。この場を設けてくださった山岳部OBの方々、どうもありがとうございました。

 ・宮武 幸久
       (編集前書き)
  新潟在住の加藤 博行さん(昭和53年卒)が前触れ無しに白毛門に先行し、宮武パーティーに遭遇しました。
 (前略) 加藤さんの方から声がかかり大変うれしく思ったのを覚えいます。残念ながら正確な時刻はわかりませんが歩き始めて3ピッチ目ぐらいのところで頂上から降りてくる加藤さんとの出会いでした。後でわかったことですが我々が白毛門に行くことは前神さんからの連絡で加藤さんは知っていたようです。

 

・前神 直樹
       昔の雪渓訓練はほぼマチガ沢と相場は決まっていた。昨年は時期が遅すぎてマチガ沢にほとんど雪が無かった経験に基づき、今年は昔通りの5月下旬に訓練を行う。それでも年々雪が少なくなっているのか、5月下旬でもマチガ沢の出会いの雪はズタズタに切れている。雪渓をただ上部に向かって歩けばよいうと思っていたが、大袈裟にいえば沢登りの様相を呈していた。訓練を終了して帰路わかったが、マチガ沢の雪渓に入るためには厳剛新道を20/30分たどれば容易に雪渓に降りれることが判明した。
 われわれが訓練をしていた下部ではスキー訓練に励む中年の一行がいたが曰く、「このマチガ沢には昔大学山岳部が随分雪上訓練をやっていたが最近は全く見なくなった。今日は随分珍しいものを見させてもらった。」と。他の大学はどこで雪上訓練をやっているのか、それとも雪上訓練なるものはもうやらないのか、不思議におもったものでした。