穂高連峰合宿(調整合宿)(18/07/22-24)


 

☆天気

 

3日通して快晴かつ高温

 

 

 

 

 

☆コースタイム

 

7/21(0日目)2225バスタ新宿(集合)(夜行バス利用)

 

 

 

7/22(1日目)0520上高地バスターミナル0550---0636明神館0642---0723徳沢0731---0815横尾0824---0914本谷橋0926---1050涸沢テント場(泊)

 

 

 

7/23(2日目)03:30起床→0431涸沢テント場---0542ザイテングラード取り付き---0625穂高山荘0639---0711奥穂高岳0723---0732南稜の頭---0829最低コル---0847紀美子平---0918前穂高岳0926---1000紀美子平1007---1023最低コル---1123南稜の頭---1130奥穂高岳---1219穂高山荘---1241涸沢岳---1301穂高山荘---1453涸沢テント場(泊)

 

 

 

7/24(3日目)0330起床→0438涸沢テント場---0543南稜取り付き---0635北穂高岳北峰0649---0800南稜取り付き---0842涸沢テント場(テント撤収・荷物回収)0940---1030本谷橋1038---1130横尾1150---1230徳沢1238---1314明神館1323---1405上高地バスターミナル(解散)

 

 

 

 

 

☆行動と感想

 

1日目〉

 

新宿から夜行バスに乗った。寝心地はあまりよくなかったので、少し寝ては起き、また少し寝ては起きるのを繰り返した。

 

 

 

早朝の上高地はひんやりとしていて快適だった。このところ東京では猛暑が続いていたので非常に癒された。各自お手洗いに行ったり、東京で買っておいた朝食を食べるなりしてから出発した。

 

 

 

上高地に来るのは、去年の10月に槍ヶ岳に登った時以来だった。あの時は寒かったが、今回は比較的過ごしやすかった。しかしやはり日向に出ると暑かった。横尾まで平坦な道を3時間歩く。初日のうちに北穂に登ってしまおうという話が出ていたので、先頭を歩く先輩のペースは速めだった。私は2番目を歩いてそのペースについていっていたが、3番目以降とはだいぶ距離が開いていた。パーティー登山でこのような形はあまり良くないのかもしれないが、登山道ではないし、北穂に登るには先頭のペースで歩かなければ厳しいので仕方ないと思った。

 

 

 

横尾から本谷橋(ほんだにばし)までの道は、一般の登山道という感じだったが、まだ比較的平坦だった。左手には屏風岩が見え、そのスケールに圧倒された。本谷橋では多くの登山者が休憩をしていた。私達もザックをおろして日陰で休んだ。帽子に川の水を汲み、それをそのまま被るととても気持ちよかった。

 

 

 

本谷橋から先は、樹林帯の急登が続いた。ペースは落としていなかったので、こまめに休憩を挟んだ。急登が終わると、前穂や南岳などが見えて癒された。傾斜が緩い道がすこし続いた後再び急登になり、しばらく登ると涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐に着いた。右手の涸沢小屋方面に進み、石段を少し登ると視界が開けた。予定より1時間半ほど早く涸沢に到着した。

 

 

 

初日に北穂に登る計画は、メンバーの疲労度と明日への影響を考慮して中止になってしまった。1人で登ってしまいたかったが却下された。パーティー登山は利点も多いが、行動が制限されてしまうのは少々面倒だ。

 

 

 

テントを張った後は、昼寝をしたり、雪渓の上で涼んだり、ポーカーをしたりして過ごした。夕食はスープカレーだった。スープカレーというよりカレー鍋という感じだったが美味しかった。某先輩の炊飯スキルが高いことがわかったので、これからの山行では全炊飯をお任せしたい。19時に消灯。毎週欠かさず聴いている有吉さんのラジオを20時から聴こうと思っていたが、いつの間にか寝てしまっていた。

 

 

 

 

 

2日目〉

 

4:30に出発。荷物の大半はテントに置いていくので、ザックはめちゃめちゃ軽かった。ザイテングラートまでは普通の登山道。途中のガレ場は浮き石が多かった。ザイテングラート取付きの手前で1人が腹痛を訴えた。八ヶ岳の樹林帯や奥多摩などであれば最悪そこらへんで済ませばよいが、北アルプス上部の開けた場所ではそういう訳にもいかないので、携帯トイレを渡した。携帯トイレの重要性を再認識した。

 

 

 

ザイテングラートは時折鎖場が出てきたが、特に難しいところはない。高度感もほとんどないので、気を抜かずに歩いていればまず問題ないと思われる。

 

 

 

穂高岳山荘で少し休憩してから、いよいよ奥穂へのアタックを開始した。すぐに岩登りのようになった。しかし、ホールドは多く、危険な箇所には鎖があるので難しくはない。ハシゴを登る時は横棒(踏ざん)を持つよう伝えた。縦棒(支柱)を持って登ると、足を滑らせた時に止めることが出来ないからである。しばらく登っていくとガレ場に変わった。風が強かったので、バランスを崩さないように慎重に歩いた。炊飯先輩が、鷲羽岳に似ていると仰っていて、なるほどその通りだと思った。振り返ると槍ヶ岳が見え、思わず声が出た。美しかった。

 

 

 

奥穂高岳山頂からの景色は素晴らしかった。笠ヶ岳も美しかったが、一番美しかったのはジャンダルムだった。しばらく見入ってしまった。「前穂行くのやめてジャンダルム行きません?」と言いたかったが、100%却下されるのでぐっとこらえた。

 

 

 

少し休んで吊尾根に入る。もともと今回の山行は、私1人で行くつもりで計画していたので、今回のメンバーで吊尾根に行っても大丈夫なのか少し不安だった。だが、奥穂まで特に問題はなさそうだったので、とりあえずは大丈夫だと判断した。

 

 

 

歩き始めるとすぐに渋滞が起きていた。長い鎖場の下りに手こずっているようだった。中にはザイルを出しているパーティーがいてうんざりした。実際にそこを下ってみると、鎖なしで下りられるような簡単な岩場だった。この程度でザイルを出すレベルなら来ないでほしいと思った。いま記録を書いていると、当時の自分はイライラしていたなあと思うが、それは多分思いっきり風邪を引いていたためだと思うのでご容赦願いたい。

 

 

 

基本的には南側をトラバースしつつ下っていくような道だった。炊飯先輩が2度ほど足を滑らせていてヒヤッとしたが、それ以外は特に問題なく歩けた。道が色々あるように見えてしまうが、正しい道以外は難しいことが多かったので、ルートファインディング能力が求められる。

 

 

 

最低コルから少し登ると紀美子平に着いた。紀美子はいなかったし広くもなかった。ザックを置いて前穂にアタックした。前半は岩登りの要素が多く、後半は浮き石が多いガレ場だったが、これといって危険な箇所はなかった。

 

 

 

山頂はかなり広かった。先程登った奥穂や、北穂、大キレット、槍などが一望できた。写真を何枚か撮ってすぐに下りた。下りている途中、西穂方面から落石の音が聞こえた。かなり大規模の落石だったので、誰か滑落したのかもしれない。改めて気を引き締めた。

 

 

 

紀美子平からまた奥穂に向かう。さっきとは逆に登りが続く。足がダメになった時が一番危ないので、岩をやってるメンバーで一般メンバーを挟む隊列を組み、目を配れるようにした。ここまでかなり歩いてきたので、体力的にきつそうなメンバーが多かった。朝にアミノバイタルを飲んでおいてよかったとしみじみ思った。南稜の頭手前でライチョウの親子を見ることができて嬉しかった。

 

 

 

再び奥穂に登頂。少しガスってきていたので、景色はイマイチだった。慎重に下って穂高岳山荘に到着。2人を残し、他のメンバー5人で涸沢岳に登った。ガレ場を登るだけであっという間に山頂に着いた。景色はあまり見えなかった。

 

 

 

すぐに穂高岳山荘に戻り、下山を始めた。ザイテングラートの取付きに出てきた雪渓が少し融けてきていたので不安だったが問題はなかった。パノラマコースを通り、雪渓で涼むサルを横目にテン場に戻ってきた。

 

 

 

夕食はクラムチャウダーリゾット。薄味ながら美味しかった。意外にも魚肉ソーセージがいい役割を果たしていた。19:30までUNOをしてから寝た。

 

 

 

 

 

3日目〉

 

4:30に出発して北穂を目指す。南稜取付きまでは石段の急登で面倒くさかった。時折出てくる岩場は楽しかったが、それ以外はつまらなかった。南稜取付きの手前で少し長めの岩場が出てきた。簡単なスラブだが、この山行の中では一番スリリングだったかもしれない。

 

 

 

南稜もただひたすら登るだけの単調な道。たまに出てくる鎖場が楽しいくらいだった。山頂直下の分岐に到着して初めて南峰に登れないことを知り、少なからずショックだった。登攀技術があれば登れるのだろうか。

 

 

 

北穂山頂からは、その日一度もお目にかかれていなかった槍を望むことが出来た。迫力ある大キレットの先に続く南岳、中岳、大喰岳、そして槍ヶ岳の稜線は、いつまでも見ていられるほど魅力的だった。今年はスケジュール的に厳しいが、来年はぜひ歩きたい。

 

 

 

足早に涸沢に戻った。さっさとテントを撤収して荷物をまとめた。30分ほどで準備が完了したのですぐに出発したかったが、どうやら休憩してから出発するらしい。大して歩いておらず疲れてもないのにゆっくりしていく意味がわからず、1人でさっさと帰ろうと思ったが、角が立つのでぐっとこらえた。

 

 

 

涸沢から横尾まではコースタイムと同じくらいのゆっくりとしたペースだった。松本までのバスが埋まってしまう可能性があったので、横尾~徳沢は先頭を歩いてペースを上げた。徳沢以降もペースは落ちず、コースタイムの半分で上高地バスターミナルに到着。乗る予定だったバスの1本前に乗ることができた。

 

 

 

 

 

いい山だったとは思うが、全体的に物足りなかった。体力的にかなり余裕があったので、屏風の頭を経由するルートでもよかったかもしれない。目標としていた奥穂高岳、前穂高岳、北穂高岳には全員が登頂することができたが、体力的にも技術的にもギリギリのメンバーがおり、悪天候だったらどうなっていたか分からない。今回の山行は。今後当部がどのレベルの山なら行けるかを考える上で役に立つものだと思う。

 

北穂高小屋より大キレットと槍ヶ岳を望む(7/24 6:36 撮影:三宅)

 

南稜の頭直下のライチョウ(7/23 11:26 撮影:三宅)