赤岳(17/10/14-15)


 

☆天気

 

初日晴れのち曇り、二日目曇りのち強い風を伴うあられ、雨

 

 

 

☆コースタイム

 

A班】

 

10/14(1日目):茅野駅0930===1010美濃戸口10251125美濃戸山荘—1350行者小屋(泊)

 

 

 

10/15(2日目):起床0330→行者小屋0510—0602地蔵の頭—-0608赤岳展望荘(デポ)0618—0644赤岳0653—0721赤岳展望荘(デポ回収)0732—0740地蔵の頭—-0828行者小屋0837–-1013美濃戸山荘—-1054美濃戸口1120===1200茅野駅

 

 

 

B班】

 

10/14( 1日目)

 

茅野駅09301007美濃戸口10221110美濃部山荘11201322行舎小屋

 

 

 

10/15 (2日目)

 

起床0330→行舎小屋05050555稜線05580603赤岳展望荘(デポ)06130642赤岳山頂06490712赤岳展望荘(荷物回収)07250814行舎小屋08311002美濃部山荘10111047美濃戸口11201155茅野駅

 

 

 

 

 

アクセス  茅野駅美濃戸口はどちらもバスを使用

 

 

 

行者小屋の状況   かなり空いていた

 

 

 

☆行動と感想

 

A班】

 

八ヶ岳山系最高峰である赤岳登頂の機会を得た今回の山行は、実際の天候に加えて天気予報にも翻弄されたものであった。

 

 

 

一日目

 

 

 

事前の天気予報では、初日午後から天気が崩れ、二日目には雨足が強くなるとされていた。この予報を元に計画を変更して10:25茅野駅発のバスではなく、9:30発のバスに前倒しをする。これは午前中の比較的天候が安定しているうちに初日の行動予定を終えてしまうことを目的としていた。この時自分を含め複数の部員は、茅野駅9:23着の鈍行を利用する予定であったため、乗り継ぎ時間はわずか7分というなかなかのタイムアタックに挑戦することとなった。とはいえ以前にも八ヶ岳山系の山行にて茅野駅を訪れたことのある自分としては、駅からバス停までの距離を考えれば、まず乗り遅れることはないだろうとの算段があった。唯一の問題であったバス往復券(茅野駅で現地購入のみ可)の購入は、主将が一足先に茅野駅に到着する役目に名乗りを上げてくださったことで解決し、自分を含め多くの部員が助けられている。

 

 

 

結果的に当日も乗り継ぎに失敗することはなかったが、思わぬトラブルがあった。僅かではあったが電車が遅延したのである。これにより実質的な乗り継ぎ時間は、およそ34分ほどであったと記憶している。遅延自体容易に想像できるトラブルであるため、やはりこれを焦ることなく回避できる範囲で移動の手段を考えるべきだったか、と個人的に反省している。

 

 

 

行者小屋までの行動時間は休憩を含めてもコースタイムで4時間程度、道のりも優しいものである。最初の1時間が傾斜の緩やかな林道で、平地を歩くのとほぼ変わらないという印象を受けたのち登山道に入るが、その先も急登などは見受けられない。登山道は前半主に木々の中の道であり、後半は砂利道が入り混じったようなコースになっている。途中三度ほどかなり長めの休憩を挟んだが、時間の短さと道のりの平易さもあって、40分程度コースタイムを巻くことができた。実際に登っているときはかなりゆっくりとしたペースだったことを考えると、もっと巻くことはできたかもしれない。

 

 

 

事前の天気予報では、行者小屋に到着する時刻に天気が崩れ始め雨が降るようというような脅しをかけられていたのに反して、空は晴れわたっている。山の天気は変わりやすいなどというが、その限度を超えた圧倒的晴天といった印象を与え、それどころか陽光が周辺の山々を照らし美しい光景を演出するようなことまであった。天気の良さに驚きつつスムーズにテントの設置、夕飯の支度なども終えて全て終わった段階にも、雲が空を覆うにとどまる。悪天候の予報も有ってかテント場はガラ空きだった。因みに食事は、キムチ鍋を作って、ある程度食べた後にうどんを加えてフィナーレという二度楽しめるタイプのキムチ鍋うどんであった。満足感があるとても良いメニューなので、ぜひまた試してみたい。

 

 

 

食事が終わったあたりで、多くの部員が天気予報が間違っていたのではという疑いを抱きはじめたのは言うまでもない。天気を確認すると、事前には降水確率8090%と算出していたサイトが、一転してさほど天候が崩れないとうようなことを伝えている。他方依然として警戒が必要だと伝える情報などもあり、二日目の行動予定はCLらの判断に委ねられた。結果最も信頼できる天候情報を元に、テントとザックを行者小屋に残して、アタックザックを使って赤岳からピストンして戻ってくるという案に落ち着く。この時点で、硫黄岳や横岳方面への縦走の予定は無くなったため、それぞれのテントに戻りアタックザックの準備などをして就寝した。

 

 

 

二日目

 

 

 

早朝3:30に起床する。流石に小雨位は降っているだろうと思っていたため、テントに雨の当たるあの音がしなかったことに心底驚いた。天候の安定ぶりに自分達のテントの中では、計画の変更があるかもしれない、などと話しながら朝食のインスタントラーメンを食べ終え出発の用意を始めた。ここで別テントの主将の方から各テントに、縦走の可能性が復活したためテントごと撤収するとの通達がなされる。計画書通りのルートに戻っただけなので特に混乱や反発は無く、また早朝で暗かったため空の様子がわからなかったこともあり、指示通り撤収作業を行う。予定通り5:00頃両チームとも行動を開始した。序盤は木々に囲まれた山道で、地面は湿っていた。ぬかるむということはなく初日に比べるとやや傾斜がついたものだったが、前日にほとんど疲れがなかったことが幸いし苦しんで登っている部員はいなかった。そのため二日目は長めの休憩を少しずつ入れて行く形となった。。後半になると森林を抜けて岩が見え始め、かなり急な金属階段が現れる。雨が降っていたらこれは滑りに滑っただろうなどと考えながら、岩を掴み掴み登っていく。一定の高さを超えたあたりから、やや強い風が吹き始めたことに気づき、明るくなった空を見上げるとすでに雲に覆われている。出発時の希望が失われ始めたのもこの頃であったのではないだろうか。地蔵の頭が目前に迫ったところで、先発していたBチームから口頭で赤岳展望荘でザックをデポすることが伝えられたと、ほぼ同時くらいに、自分史上おそらく初のあられを観測することとなった。赤岳展望荘にてBチームと合流したのち、アタックザックを用意した段階では天候がどう変化するか読めない状態だったので、判断は基本的にCLらにかかっていた。

 

 

 

赤岳展望荘から赤岳に出発すると、すぐに強い風が吹き、それに乗って先ほどまで大人しかったあられが猛威を振るいだす。レインウェアにバチバチバチと小粒のあられがヒットするのを聞いて、ふと以前秋葉原でやったサバイバルゲームを思い出したりもしたが、むしろあられの方が恐ろしい。レインウェアのフードを被っていても顔に容赦なく打ち込まれるあられには辟易してしまった。岩場が続き、危険ではないものの急であったり、アップダウンがあったりと、時間的には短くともそこそこの登りごたえはあったと言えよう。序盤あられのみであったのが、中盤から雨混じりへと変化したため、降り積もったあられが雨で溶けて岩が滑りやすくなってきたが、これは硫黄岳までの稜線上においても同じであることがこの時点でも予測された。赤岳山頂に到達した時には小雨が継続して降っており、眺めはそこそこだったがさすが八ヶ岳山系最高峰、見晴らしはよく達成感があった。余談だが赤岳山頂には、祠がなぜか二つ設置されている。調べるとそのうちの一つは、何かしらの新興宗教の信者が無許可で置いたものらしい。もう片方は由緒正しい赤嶽神社の祠であり、間違っても得体の知れない方の祠に手を合わせることのないようにしたい。見分け方は簡単で、賽銭箱が前に置かれていない方が赤嶽神社の祠である。

 

 

 

赤岳から赤岳展望荘に戻る道では、先ほどまでの強い風は弱まったものの、降り続く雨で岩場が依然として滑りやすく、重量のあるザックを背負って進むには機嫌が伴うかもしれないという認識もあった。赤岳展望荘にて、CLらの判断により初日の食事後の判断に再度変更することとなった。計画の変更が短時間で二度も行われることになってしまったのは、先述したように天気と天気予報によるところが大きい。結果的に天気は、事前の予報ほど荒れることはなかったものの、二日目の早朝に想定したほど好転したわけではなかったため、翻弄されてしまったと考えられる。初日のあまりの好天ぶりに錯覚させられた部分もあるかもしれない。

 

 

 

硫黄岳までの稜線上の岩場が滑りやすくなっている可能性と、風が比較的強いという予測に基づいて、行者小屋に向けて戻り始めた。雨が降る中ではあったが、比較的楽な行程で大きく体力が奪われることはなかったため、安全に進んでゆく。行きに思った通り用意された金属製の階段はだいぶ滑りやすくなっていたため、わざわざそれらを避けて下る必要があったところがあったが、それ以外の部分は多少ぬかるむ程度で問題はない。

 

 

 

行者小屋に到着したところで、赤岳展望荘にて別れたBチームと再び合流する。この時点でコースタイムちょうどでバスに間に合うという状況になったため、多少巻いて下ろうという認識になった。行者小屋から美濃戸口への道は行きでわかるように平易であるため、危険はなくほとんどの部員がかなりの余裕を持って美濃戸口まで向かうことができていた。バスの時間に余裕を持って間に合うことができ、そのまま茅野駅行きのバスに乗ることができた。

 

 

 

総括

 

 

 

今回の山行の目玉の一つであった赤岳登頂は達成したものの、もう片方の目玉であった硫黄岳までの縦走が成し遂げられなかったことは、ひたすら残念である。というのも天候自体豪雨であるとか爆風が吹いているとかではなく、ぐずついていると表現するのが正しい

 

ようないやらしいものであった為、判断の決め手にかけるような部分があった。故に勿体ないような感覚が少し残るような結果になった。とはいえ山においては細心の注意を払うべきであるのは当然で、実際の判断は疑問の余地のない正しいものであり、CLの判断に感謝したい。個人的に岩場の多い山が好きなので、もし機会があれば晴れた中で赤岳、硫黄岳の縦走をリベンジしたいと思う。

 

 

 

B班】

 

 

 

1日目、電車の到着時刻的に本当ならバスの時間がギリギリで間に合わないんじゃないか説があったが、内海さんや他の人たちが早めにチケットを買って席を取ってくれてたおかげでなんとか乗れた。約40分ほどバスに揺られ、美濃戸口に到着。B班、A班の順でそれぞれ出発した。最初は林道を約50分ほど歩いたが、地味ーな登り坂がちょっとつまらなくて早く本格的に登らないかなぁと思った。紅葉もなりかけていてあと二週間もすればきっとめちゃくちゃ綺麗に見えるんだろうなと思った。美濃部山荘に着いてからは川の沢に沿って森の中を登る感じだった。そこまでキツイ傾斜や岩場もなく、ゆったりと楽しく登れた。川の流れる音がいい感じだった。途中から赤岳も綺麗に見えるようになって、当初想像していた雨の中の赤岳とは全然違った。そんなにキツくなかったこともあり、休憩の間隔も空けたこともあってか、約50分ほど巻いて行者小屋に到着した。もうこの頃は天気も快晴で赤岳もはっきりと見え、バックの青空と赤岳の赤茶色の色合いが絶景だった。このままなら希望者だけザックなしで走って赤岳登って帰って来るといった案も出てきたが、日の入り時刻が早くなってきていることや天候などの判断でA班を待つことになった。この頃は日がよくさしていて日向ぼっこにちょうど良かった。A班が到着し、テント設営にはいったが、今回周りに登山客がほぼ皆無に近かったので、めちゃくちゃテント場が広く、すごい平らで寝心地よさそーーーなとこにテントを張ることができた。それから皆でキムチ鍋を作ることに。もうこの時間になると少々寒かったが、バーナーの火の温かさやこれからキムチ鍋食べれるぞ〜〜〜!という期待でなんとかしのいだ。そして出来上がったキムチ鍋は絶品だった。すごく身体に、しみて美味しかった。仲間と山で食べる鍋に勝るものはあるのだろうかと思った。片付けをして、ミーティングをし、とりあえず明日の予報は雨なのでザック、テントは行者小屋にそのまま置いてサブザックでアタックすることになった。そして各自テントに入り就寝した。自分は夜中にトイレに行った時、電気をつけたら何かよくわかんない小動物と鉢合わせして少しびびった。熊だったら遺言残しとけば良かったなぁとか思った。また夜空の星が綺麗に見えた。実際山から見る夜空の星も登山の一つの醍醐味だと個人的に思う。

 

 

 

 

 

 

 

2日目、朝の3時半に起床。夜中は星空が広がっていたのだが、この時間になると曇ってた。ただ雨は一度も降っていないのでお!お!これは?という雰囲気が全テントから感じられた。各自テント内でラーメンを作り、5時出発。(今回のラーメンに関しては4年生からのラーメンのアツイこだわりも伺えたが、安いと言われていたラーメンもふつーに美味しかった。ほんとに。)前日はテントも荷物もそのまま置いてサブザックでアタックということになってたが、天気が良好だったこともあり、テントも撤収し、荷物を持って赤岳アタックすることに。天候次第でその後のルートも決めるという感じだった。ということで55分にB班は行者小屋を出発した。鎖場や急な階段などあったがまぁそこまでみんな疲れることなく、50分ほどで稜線に出た。稜線に出ると風が吹きさらしており、また急に寒くなった。この頃になると雪がパラパラと降り始めた。ただ、景色は結構よく、赤岳はもちろん、これから縦走する(はずだった)硫黄岳なども見えた。そして赤岳展望荘に荷物をデポし、山頂にアタックした。瓦礫とかもあって少々登りにくかったのと、雪(あられに近い)が顔に当たって痛かった。25分ほどで着き頂上付近でA班が来るのを待機して。全員で山頂に着いた。だが山頂は、霧や雲ばっかでなーーーーんも景色がよく見えなかった。みんなで写真を撮り6分ほどしたら下山を始めた。(自分としては、2年全員で写真を撮れたので良かったなぁと思う。)これ以降雪が、雨に変わり、下山もかなり大変だった。瓦礫も落石の危険があり、中々歩くのがかなり難しかった。20分ほどで赤岳展望荘に着き、先輩方の判断でこれからの硫黄岳に向けての縦走は厳しいとの判断でそのまま撤退することになった。行者小屋までの道のりは雨に濡れて地面が滑りやすかったのと、瓦礫も落石の危険やかなり鎖場や滑りやすい階段があったのもあり、みんな慎重に下山した。行者小屋に到着し、少々休憩してから美濃戸口まで降りた。ここからは斜面がかなり緩やかだったので皆足が進んだ。約30ほど巻いて美濃戸口に到着した。A班も10分後に到着し、そしてバスで茅野駅に戻った。、それで解散となった。(この後福家くんは茅野駅のチューインガムのゲーム機に異常なハマりを見せることになるのであった…)

 

 

 

今回は前日までの天気予報を大幅に覆し、1日目は曇りのち快晴。2日目も朝は快晴というかなり運に恵まれた。(それ以降は雨が降ってしまったが。自分の晴れ男伝説もとうとう終わってしまった。)坂本さんが赤岳は登る山じゃなくて見るのを楽しむ山と言っていたが、本当にその通りで、1日目に赤岳の絶景(特に夕日に照らされた赤岳)を眺めることができて良かったと思う。縦走できなかったのは少し残念だが、赤岳だけはちゃんと登れたし、また来年天気良ければ登りたい。今回は登ってる時は疲れを感じず楽しく登れたし、下山の時も鳳凰三山ほどは疲れなかった。多少の、成長はあったのかな?と思う。B班で登ってる間、赤岳山頂からの下山の1時間以外はずっとカラオケ並みに歌をひたすら歌いまくっていたが、他のメンバーが何も嫌味一つも言わないくらい優しい人たちだったので良かった。ジブリメドレーやジブリのワンシーン当てゲームやb班の僻み、〇〇さんマネ選手権など盛り上がってすごく楽しく登れた。やっぱり自分の中では楽しく登ることが一番だと思うので良い思い出となった。皆さんお疲れ様でした!

 

行者小屋から横岳を望む(10/14 16:59 杉田撮影)